現代に生きる陰陽道……陰陽五行から生まれた干支の話

現代に生きる陰陽道……陰陽五行から生まれた干支の話
 
陰陽道や陰陽師という言葉を知っている方でも、その考え方がどのように現代に息づいているのかまではあまりご存知ないのではないでしょうか。
 
陰陽道は中国から伝来した陰陽五行思想に基づいており、かつては貴人たちが公私に渡る行動指針を知るために頼っていました。
 
現代ではそのように陰陽道を身近に感じる方は滅多にいないと思いますが、その実、日本人ならば誰でも陰陽道の哲学に従って定められた自分の特性を認識しています。
というのも、12年で一巡する「干支」は、陰陽五行から発したものだからです。
 

陰陽五行と干支

陰陽五行には、まず根源となる「一気」があります。
これは天地創造以前の世界の混沌、つまり根源的なエネルギーであり、ここから陰と陽の「二気」が発し、陽が天、陰が地に変じました。
この陰と陽が咬合して生まれたのが木・火・土・金・水の五気です。
 
陰陽二気は根本を同じくしているため、互いに引き合い影響を与える「相剋」「相生」という特性を持っていますが、二気から生まれた五気にもその特性は受け継がれています。
木が火を、火が土を、土が金を、金が水を、水が木を生じさせる「相生」
木が土に、土が水に、水が火に、火が金に、金が木に勝るという「相剋」
 
この流れを順に表に表したものが「五行配当表」で、ここから更に陰と陽に五行を分けて「兄弟(えと)」の十気に分かれました。
これを「十干(じっかん)」と呼びます。
 
これに木星の運行を、周期と区画で割り当てて名づけたものが「十二支」です。
 

木星の居所を示す「太歳」と「十二支」

木星の居所を示す「太歳」と「十二支」
 
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
この割り当ては木星のありかを示す仮に設置された星「太歳」に準じており、西から東へと移動して行きます。
 
つまり、干支は生まれ年を示すだけでなく、太歳のありか、そして、方位や一年の構造にも割り当てられているのです。
1年は寅から始まり、丑で終わります。
寅は1月、丑が12月というわけです。
1月から3月が木気、4月から6月が火気、7月から9月が金気、10月から12月が水気に属し、3か月のサイクルではじまりの「生気」盛りの「旺気」晩の「墓気」を繰り返します。
 
方位では北が「子」南が「午」東が「卯」西が「酉」であり、現在のアナログ式時計の文字盤のような形で巡っているのです。
 
「子」は北であると共に夜の名前であり、かつては夜11時から翌日の午前1時までの間を「子刻(ねのこく)」午前1時から3時までを「丑刻(うしのこく)」午前11時から午後1時までの間を「午刻(うまのこく)」と呼びました。
 
1年を通した自然の循環や、丑満時(うしみつどき)などの時刻の呼び名、そして生まれ年を認識する干支の割り当て。
こうした生活と人生に深く入り込んだ部分で、陰陽道は現代にも息づいています。
 
ご自分の干支がどのような意味を持っているのか改めて考えてみれば、それまでとは違った人生の捉え方ができるかもしれません。
ただ生まれ年の名としてではなく、五行と結びついた意味のある名前として干支を見直してみてはいかがでしょうか。