陰陽道と日本人の死生観について

陰陽道と日本人の死生観について
 
死は「穢れ」であり、陰陽五行では土、五黄土気に象徴されます。
すべての季節、そして、土気以外の4つの気をつなぐ役割を担い、繁栄した異なる気を終息させ、次の季節に引き継がせる「死」は、すべてを飲み込む広大無辺の広がりを有しています。
 
盛衰の流れを経て初めて命の交代が起こり、次の世代の誕生と成長があるのです。
死は終点でありながら、時代の起点でもあると認識してください。
 
日本人の死生観は時代に従って変化を続けてきました。
かつては土葬が一般的でいたが、今では火葬が義務付けられています。
疫病対策の見地からもそれは当然でしょう。
 
しかし、命が循環する輪廻転生の思想が浸透した日本では、火葬に対する抵抗は強かったと言います。
エジプトのミイラ文化を見ても、過去、人類が遺体に生の幻想を抱いていたことは間違いありません。
 
確かに、人間は肉体と心に分かれ、死を経て陰に属する肉体を残して陽に属する精神が旅立ちます。
目に見える形で遺族に与えられるのは肉体のみ。語り掛ける対象が遺体でしかないことは明らかです。
 
しかし、だからこそ、現世に精神をつなぎとめる手がかりが遺体しか存在しない状況を受け入れ、それに対して働きかけるという唯一の手段を選んだに過ぎないのでしょう。
 

死によって繁栄を導く

死によって繁栄を導く
 
繰り返しになるかもしれませんが、死は土気であり、五行の中央ですべての季節をつないでいます。
死は陰が極まる象徴であり、陽の萌す始まりなのです。
死は次なる繁栄を導く契機であると考えれば、四季に沿った土気鎮めによる死者のお祀りが必要だと考えられます。
 
かつて日本には流れてきた死者を神として祀る習慣がありました。
ヱビス神、ドザエモンは、水死者を漁業における大漁の予兆であったり、死人を鑪氏(たたらし)の元に資源が湧き出る予兆であったりすると考えた系譜を物語ります。
 

死を避けるおまじない

陰陽師は民間にその知識や技能が広まるとともに、占い師などの側面も持つようになりました。
未来の不運や事故を占うとともに、それを避けるアドバイスやおまじないを求める民衆が少なくありませんでした。
それは現代に至っても変わらない傾向だと思われます。
いつか降りかかる不運だとわかっているならば、避けるに越したことはありませんから。
 
命の終わりを引き延ばす呪術は、五行の法則から干合・支合を用います。
長寿に必要なのはこれによる「金気」であり、九星における金気は六白金気と七赤金気であり、かつ、易に転じては「乾」と「兌」です。
「乾」は西北方面、高い山、健康、堅実。
「兌」は西方、金属、悦び、食、財宝などに象徴されます。
 
つまり、延命長寿を願う呪術にはこれを盛り込めばいい、ということです。
登山、ハイキング、高所でのバーベキュー大会など、イベントとして考えれば非常に楽しい企画になるのではないでしょうか。
 
いつ、どのように呪術を行うべきなのか、詳しく占いたい方は、ぜひ専門知識を有する陰陽師にご相談ください。