生活に溶けこんだ「カマクラ」の祭祀と陰陽師の関係性

生活に溶けこんだ<br />
「カマクラ」の祭祀と陰陽師の関係性
 
日本の冬をよく表す風物詩として「カマクラ」が有名ですが、カマクラの語源、そして古来、陰陽師が実践的に用いたような呪術的意味も持つことについてはそれほど知られていないのではないでしょうか。
 
雪を固めて作るドーム状の空間。そのルーツには諸説ありますが、世界各地の先住民族が交流した際にはイヌイットのイグルーとの共通点が話題になりました。
しかし、もちろんイヌイットのイグルーはイグルー。
日本のカマクラはカマクラで、あくまで本能的な発想のもとで生まれた異なる風習だと見るべきです。
 
例えば東北地方秋田県の横手で行われる雪まつりでは、日本伝統の「カマクラ」に水神をお祀りし、その中でお客を歓待します。その意味を考えてみましょう。
 

神の坐すところ

カマクラの語源を紐解くと、陰陽師占いの様な日本の風土に溶けこんだカマクラの呪術的意味やルーツが見えてきます。
カマはすなわち「神」に他なりません。
 
そしてクラは古くから神の坐すところとされたホラ、ハラ、クボ、ムロ、カマの同義であり、つまるところ「神クラ」であって、神を祀る祭殿、あるいは祭壇そのものを意味するわけです。
日本で雪室を作る風習と、神を室で祀る祭りのどちらが先に生まれたかは定かではないものの、冬の象徴である雪と、雪に象徴される水神が結びついたのはごく自然な流れのように思われます。
 
陰陽師が土地の吉凶を占い、また自然環境を人がコントロールして山野を離れ、整備された土地に生活拠点を置くようになると、古来から神事の場であった渓谷や洞窟は容易に訪れられる場所ではなくなりました。
多くの人が祭りに参加し、土地と人心に神意をいきわたらせるためには生活に密着した祭事である必要があり、その意味でもカマクラを用いた「静」の祭りは有用であったのでしょう。
 


ラスト陰陽師・橋本京明では法人・個人鑑定も行っております。
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「通り神」

「通り神」
 
日本のカマクラについて、もうひとつ着目したい側面があります。
「客をもてなす」という風習です。
横手のカマクラでは家々でカマクラを作り、訪れる客を甘酒などでもてなしました。
客は「どこからかやって来て、どこかへ去っていく」人物です。陰陽師が用いた陰陽五行のような季節を送り、迎える祭祀の象徴でもあります。
 
陰陽師が運用する陰陽五行では冬に陰気が極大し、土用の死と復活を経て木気発揚の春、そして陽気極大の夏へ向かいます。
通り過ぎる客を祭祀の要素に加えれば、循環を促す呪術的行為の一環と読み解くことができるのです。
 
客は水神にお賽銭を投じてカマクラを出ます。水神を鎮めて巡り、木気の訪れる場を整える。
冬の最盛期に行われる雪まつりでは、カマクラに灯ったもてなしの灯が例えようもないぬくもりを感じさせます。
神を寿ぎ、人を慰撫する静かなるお祭り。小正月の行事として、気になる方はぜひ訪れてみるといいでしょう。
 


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